女子校育ち

コスメと遠征先でのビール工場見学が好きです

実録、看護学校【18年3月更新】

卒業したので、加筆修正しました。

【続】実録、看護学校 - 女子校育ち

 

人生で通うとは思っていなかった看護専門学校(3年制)に通いました。

そんな記録と、専門だとどんな感じなのかというイメージがつけばと思ったので書きました。

 

 

何故看護学校に進んだのか

そもそも何故入学したかというと、大学を辞めたから。

大学を辞めた理由は複数あるのだけど、就活で自己PRをしている自分を全くイメージできなくて就活なんて出来る気がしなかったこと。暑がりで多汗症だからスーツが嫌いだったし暑い時期に外を慣れない格好で出歩きたくなかったこと。幅広甲高で足に合うパンプスがないこと。

一番はこのまま進んでもやりたいことが見つからないな〜と感じて、それだと就活も中途半端になるだろうと思ったからです。

 

中途退学って履歴書に書いて、そのまま生きていけるとは流石に思わなかったので、代わりに資格を取ろうと勢いで決めた。血や肉を見ても怖くないなら向いてるんじゃない?と勧められてはいた。

何故看護師を選んだかというと、ゲスいんだけど歯科衛生士やリハビリ系・福祉系よりも稼げると思ったのが一番の理由。離職率が高くて人材不足と言われるけど裏を返せば探せば全国どこでも仕事があるということだし、高齢化が進むから需要は増えるだろうと思ったから。あ、でも正直今は臨床で働きたいと思ってない。

 

志望校選び

受験を決めたのが確か11月中旬くらいで、行きたかったJR病院や警察病院の付属(なんとなく名前がかっこよかったから)はもう願書の受付が終わっていた。

学校見学に行く暇もなかったので、基本的には「学費の安さ」+「自宅からの所要時間」で選んだ。*1

専門学校の学費は大抵安い。私が通った学校はその中でも安くて、200万もあれば通えたと思う。病院の附属だと、病院側が負担してくれるというのが大きい。学校によっては寮もある。

 

専門学校のメリットデメリット

【メリット】
  • 学費が安い
  • 大学と比べ1歳若く働ける
  • 基本的にはその病院へ実習に行けるため雰囲気に慣れてくるし、知らない病院に行かない分気持ちが楽*2
  • 就職活動の手間がない*3
  • 儲かっている病院は学校もきれい
【デメリット】
  • 大学と1年の差があるので実習スケジュールがきつい
  • 大学ならカリキュラムを組めば保健師受験資格も在学中に得られるけど、そういうスペシャルプランはない
  • 附属なら卒業後は就職するのがまず前提。よっぽどの理由がないと断れない*4
  • ほとんどすべての実習でお世話になるので、病院の環境が悪いと精神的にもつらい。
  • 儲かっていない病院は学校にもなかなか手を入れてもらえない

 

入試について

個人的には専門学校の偏差値はあてにならない気がする。何校か専門学校の過去問解いたけど、中学で学習する内容が理解できていれば英・国(多くが現代文のみ)は軽く復習しておく程度でいいと思う。数学は数Ⅰ(もしくは数ⅠA+Ⅱ程度)なので、公式が理解できているなら応用問題を解けるようにしておけば十分だと思います。専門学校は高1までの範囲しか出さない学校が多いので、その復習だけで私は受かりました。

そもそも小論文を書くのが嫌いなので、そういう学校はまず受けなかった。二次面接は学校によりけりだけど、意外にも資格のO原とかの予備校に通ってたクラスメイトは少なかったので、勿論行って損することはないと思うけど、対策はしてもしなくても変わらないくらいなのかな。(学校によりけりかな)

どういうことを聞かれるのか、1:1か2:1の面接なのかとかそういう予備知識があると少し安心はするかも知れません。*5

面接で聞かれたことは、「何故看護師になろうと思ったのか」「志望理由」あとは「病院に就職する意思があるか」とか、私は名字を突っ込まれることが多いので、半分くらい雑談で終わった。

そんな感じで今でも何故私が受かったのか分からないけど、全く看護の心を持ち合わせていないまま軽い気持ちで入学。

 

生徒の内訳

当初、クラス内の割合は現役生:年上=6:4くらいでした。エグい話すると、進級するにつれて留年した人が数人降りてきて、毎年1割弱くらい辞めていくから割合は変わってくる。ちなみに最終的には5:5。

年上だと10個上くらいも普通にいるので最初は心配になるけど、一緒に課題進めたり実習でグループ組んだりすることになるので必然的に話すし仲良くなれる。あと、社会経験ある人は税金について教えてくれるメリットあり。

年上は私みたいにフラフラしてた人、医療事務や看護助手をしてたけど生活するためにもっと稼げる仕事をしたい人とか、やっぱり手に職つけたいって人が多いです。*6准看護師の学校はもっと年上が多い。

現役の子はピュアだなって感じます。小さい頃から憧れていた子もいるし、母親が看護師だったり親が医者だったり薬剤師とか栄養士とか家族が医療に関わる仕事をしているっていう人は多いです。

 

入って感じたけどジャニヲタ多かった。ジュニア担もいるし、嵐担もいた。わたしより若い子が多いからJUMPやジュニアが多いかな。かけてる金額にはかなり差があるけど。

ジャニヲタだけじゃなく、趣味があってお金がかかる人も結構います。(私のクラスはジャニヲタが約1/4)

 

実習について

基本的には敷地内の病院で実習していたので楽でした。ただ8時過ぎには学校を出て病院へ行くので当然8時前には学校に着いて、着替えたり課題を提出したりするからいつもより1時間早い電車に乗ってた。これがほんまつらい、地獄。そのくせ実習終わるのはいつもの授業より遅いし指導も受けたら学校出るのは18時…眠さと疲労が毎日積み重なっていく…つらみスパイラル
ただ、他の学校に知り合いがいないからわからないけど、週に1日学内で自習する日として当てられていて、効率よく進めている人は眠れているし、無理矢理でも毎日寝ようと思ってるので3週間は意外と乗り越えられ…た。個人的には最初の1週間が一番きつくてしんどくて学校辞めたくて指導者に会いたくなくて死にたくなるくらいつらかった(笑)

スケジュール

【1年次】

基礎看護といって「看護とは何か」みたいなことを考えるような授業から始まって、基礎的な技術習得のための実技も多かった。

例えば、最良の看護を行うためには環境を整えるナンチャラカンチャラ〜〜みたいなことを3年間死ぬほど言われるんだけど「患者さんの環境ってそれでいいの?」とか快適な温度、光量とかそんな20数年間生きてきて気にしたことがなかったこと。

実技はボディメカニクスという身体の使い方を学んで(職業的に腰痛になりやすいから)、重心の落とし方、力の入れ方とか患者の動かし方とかを学びます。まあそれでも腰は痛くなる。授業内で患者役と看護師役に分かれて、清拭・洗髪や車椅子移乗とか。(校内で学んだのはベッド上で行うものが大半で、それを元に実習をしながら実践的なやり方を覚えていった感じ)

 

解剖見学もします。(楽しいと言ったらアレだけど)1年生の思い出だとこれが一番。医学の発展のためにと寄付してくださり、ホルマリンで腐敗防止処置をしたご遺体をどっかの医学部生が解剖して、学生は解剖(済)を見学します。本当に図で見たまま、臓器や血管があるんだなあって。実際に触ってみて、複雑さに感動した。

1年次の終わりからは看護過程*7を学びます。これができないと実習には行かせてもらえないし今後ほぼ全ての実習でこれを使って看護を展開する。大っ嫌い。

そして全ての学校かどうかは分からないけど、テストや実技テスト、実習で落ちると再試代がかかります。授業料が安いところはあるかもしれない。

看護学校独特だと思うけど、時間割は不規則だし(曜日ごとに決まっていることはあまりなくて決まってるとすれば外部の先生のコマくらい)、翌月の時間割は1~2週間前にならないと発表されないです。そして一度決まっても空きコマに急に入ったり、なくなったりすることもありました。ジャニヲタ的な悩みを言うと、遠征の予定をくそほど立てづらくて、私はそれで1回遠征がパーになった。

授業は大学と同じで1/5休んだらアウト。全授業数が同じではなく30時間で1単位だったり、15時間で1単位だったりと、授業によって異なるので休む時はよく考えないと落とします。卒業には全単位が必要なので落とすと大変なことになります。(1年次に落とした授業は2年次に再履修だし、とはいえ2年の授業も同時進行だし…みたいな)

そもそも休むと職業柄「自己管理しっかりしろ」と怒られるので、遠征したくて仮病使って休んだことは1日しかない。小山さんの誕生日だけ。テストで休むと単位落とすので、その場合は「診断書持ってこい」って言われました。再試代と診断書代で数千円…

【2年次】

体育祭や文化祭をやる暇はなく、イベントといえば戴帽式とキャンドルサービスくらい。戴帽式は学校によってはナイチンゲール誓詞を覚えて、リハーサルしてちゃちゃっと終わらせるところもあるかもしれませんが、30時間以上は話し合いをさせられました。(「言葉を変えるのか、変えるとしたら何を入れるのか」「そもそもどんな看護師になりたいのか」みたいな)良い思い出は全くないです。そもそも話し合いをして誓ったところで、そんなこと考えながら学校生活を送る余裕はないし更に愚痴を言うと、女子は髪型が夜会巻きと指定されていて、下手だ不器用だと散々先生から言われたので(髪の量が多くてまとめづらかった)キャンドル落として燃やすぞって思うくらい腹立った。

キャンドルサービスは12月に毎年、キャンドルを持って病棟を回ってクリスマスカード(手作り)を配るというもの。縁起が悪いからツリーの飾りには星を描いてはいけないとか、五体不満足で描いてはいけないとか禁忌事項がありましたが、逆にそこまですると不自然な絵になって患者も気にしそうだなと思っていました。クリスマスソングをなぜか全編日本語で歌いあげますが、英語の歌詞で覚えてるから逆に歌いづらかった。でも歌うのは好きだし、授業なくなるし、季節感があるねと喜んでくださるので毎日がキャンドルサービスならいいのにと思っていました。

 

そして、2年次からは実習が増え、2週間・3週間×2回。加えて、保育園や学童での外部実習も何度かありました。子供は嫌いなんだけど保育園の子は大抵レゴと折り紙に食いついてくれるし、小学生はドッヂボールがテッパンだから案外楽しかった。

看護分野には母性・小児・成人・老年・精神・在宅など様々に分かれていて、それぞれ概論や看護論とかとにかく色々学んでいきます。「この前小児(概論)終わったのに、また小児(看護論)始まるの?」みたいなことが1年間続く。

1年次にあれほど環境がナンチャラカンチャラって言ってたのに、今度はそんなことばっかり言ってないで病態を捉えて考えなさいって急に言われ出す。ナイチンゲールどこいった。納得いかねえ(笑)

 

2年次の終わり頃からより看護対象別に深めるみたいな各論実習が始まりました。あとは各期別に紙上の模擬患者を例に看護過程を展開する演習をするのですが、専門学校という時間の都合上小児在宅母性精神、、、と同時進行で進んでいくからしんどいし忙しいし誰が誰だか分からなくなることも。在宅のウメ子80歳と小児のゆめちゃん2歳が「ウメちゃん2歳、あっ間違えた」みたいな。

更に1年次より深めないといけないから余計に先生からの指導がキツくなるし、記録を書く量が増えた。ただの鬼。

実習記録は、これまじでバカだな〜って思ってたんだけど私の学校、オール手書きでないといけなくて*83年間バカだな〜って思いながら過ごしました。パソコンでも手書きでも結局紛失すれば情報漏洩するのは変わらないはずなのに、頑なに手書きでしか受け付けない。結局コピペしたら一緒なのに。あ〜〜アホ。

あとは実習にあたって、事前学習をするのはわかるんだけど、それも手書き。実習期間は先生のことを呪っていた。

そういう考え方が昭和っていうか、ステレオタイプっていうか、凝り固まってるっていうか…

わたしの学校だけかもしれないんだけど。(だとしたらある意味ショック)

あとは先生によってやり方が違うことや許容範囲も違った。でもこれは、反抗すると今後の関係にも影響するなと思ってみんな我慢していたかな…それが無理なら来るなって感じでした。

【3年次】

3年になると1年の大半が実習で、休みなく続きます。ある実習が金曜日に終わって土日で記録書き終わらせつつ、翌月曜日からの新たな実習で受け持つ患者の病態を調べて計画立てて、金曜日に終わった実習の記録を月曜の朝に提出…というのが夏休みまで続き、夏休みが明けたらまた冬まで続くという感じ。カレンダー1年の半分くらい奪われるとか死んだ方がまし。さらに実習だけじゃなく看護研究(いわゆる卒論)を同時進行で行う。

11月頃、全部の実習終わった!天国!と思いきや、ラスボスには実践的な統合実習というものが控えている。夜勤の見学みたいなこととか、複数の患者を受け持ってみたりしてより実践に近い3週間を過ごす。幾らか包むんでもいいからパスしたかった。

ちなみに夏頃からは日に日に国家試験の勉強や模試を受けるように言われ、予備校に通えよ圧も強くなっていく。来世は潮に揺られる海藻になりたい。

 

不公平だな〜〜!って思うのは、同じ急性期という(手術を受ける患者を受け持つ)実習でも病棟によって指導者や担当する先生が違うから、指導方法も変わること。人間だから仕方ないんだけど。その当たり外れがあることや実習のタイミングによっても先生の機嫌が変わったり…その実習が受かるかどうか、生徒の学校生活を左右する一因になることが納得いかないな〜と思うこともありました。今思えば、それだけじゃなく実習記録は手書きじゃない学校だってあるだろうし、卒業に必要な最低時間数より多く実習している学校もある。3年間通っていて、そういう教育面での不満も出てきてしまって余計にSHINDOI〜〜ってなりました。みんなこの資格とって頑張ろうって思って通っているし、一応国家資格だよ?人生に関わるんだからもっとそこは厚生労働省はその辺もっと統一しろよな。(そこ)

 

入学を考えている方へ

こんなクソみたいな人もいるんだと思ったと思うけど、入学を検討している方へ向けて言うと、通ってみて意外と今までの勉強ってそんなにいらないんだなって感じた。(大学の看護学部のことは全くわかりません)

私は英語や数学や現代文は人並みに出来たし、入試は寝るほど簡単だったし、合格者の成績順ではトップだったの…ほんと…信じて。でも周りの方が看護過程の展開も記録の進め方も上手くて、私は実習記録の再試しょっちゅうやってる!!!勉強は嫌いだけど実習は楽しいって思えるような向いてる人もいるから、「私は理系じゃないから…」とか思わず受けて良いと思います。

 

血や肉が嫌いな人もいると思います。

でも意外と解剖見学・手術見学・採血や注射の実習くらいでしか見る機会はなくて、苦手ならチラッとだけでも良かったし、座ってる子も退出した子もいた。実習してみると感じると思うけど、職場は病院だけじゃないし会社やクリニック、保育園なんかもある。意外と耐えられたなんて声も聞くのでまずは見学も良いのかなって思います。

 

今のところ国試は受かる気しかしないんだけど、そこに至るまでの実習嫌いすぎて、めまい+下痢+腹痛+発熱+吐き気+皮膚炎になるほど辛い〜〜〜!!!!(笑)*9 万病薬みたいなの欲しい〜〜〜〜!!!!(これは最後の実習中)

あとね生きてるだけで肩から腰まで凝ってるのに体位変換のために力入れたら腰割れそうだし、字書くのも遅いし、考えたそばから忘れるし、いつも眠いのにさらに眠れなくなるし、

わたし絶対向いてなかったと思う。

みんな言うの、「やればできるのに」って。やればできてたら大学卒業しとるわ!!!!って思うけどね。クラスの子が優しかったのが本当に幸いでした。

毎日息を吐くように辞めたいと言っているけど辞めないのは、年齢的に後がないこともそうだし、就職したらお給料いくら貰えるか計算して思いとどまっているというのもあるし、何より何だかんだ優しい人が多いんだと思います。

実習グループのメンバーに恵まれると、みんなわたしの重い腰をあげさせてくれて、背中押してくれて、助けてくれるから、3年間一緒に過ごしたっていうのは大きいな〜〜と思う。そういう良いこともあるよ!逆も然り

 

再試代を支払いつつもとりあえずようやく実習が全て終わったので、国試に向けて腰を上げたところです。何だかんだ卒業できるかもと思いつつも、一時はしんどすぎて卒業が全く見えなくなっていた自分もいたので、3ヶ月前の私に言ってあげたい…!

「あと3ヶ月したらまたウキウキしながら遠征スケジュール立ててるよ」

 

*1:学校見学はなるべく良い印象を与えようとしているので、先生の態度はともかく施設の綺麗さ、器具の新しさ、実習の受け入れ先などを確認するのがおすすめかな

*2:そこの病院にない科目があればその分野の実習だけ外部の病院にお世話になるという感じ

*3:面接程度はある

*4:その病院に希望する科がない場合とか、進学したい場合とかはその適用

*5:一次試験の日に学校の前で予備校の方が面接対策用の冊子を配っていた

*6:だから年上は基本退学しない

*7:患者を身体面、精神面、社会面から見たときに、学校によるかも知れないけどゴードンって人が作った理論を使ってアセスメントして、何が不足しているかをあげて、その解決策を立てていく

*8:守秘義務とか外部に流れないようにするためと言われたけど、コピペしにくくするためっていうのもあると思う

*9:人生でお腹壊したことほとんどなくて経験なかったから腹痛が死ぬほどつらい